クイーンズランド州では大家が家を貸す際に借家人から「Bond」と呼ばれる敷金を払ってもらった場合、必ずそのBondをRTA(Residential Tenancies Authority)と呼ばれる政府機関に預けることになっています。これによって大家が敷金を悪用するのを防ぎ、また退去時には大家と借家人合意の上での敷金額返済を確保します。ちなみに大家がRTAにBondを預けない場合は、最高4000AUDの罰金、ないしは借家人に直ちに現金で返金するのがルールです。しかしながら、留学生に向けた教育が一大産業となっているオーストラリアでは、留学生相手の違法な賃貸が数多く存在し、それが該当政府機関なり、大学なりが監督できないないのが現状です。(そもそも責任の所在も分からない状況)
良くある事例が、購入した家の住宅ローンを留学生の家賃収入で返済する、持ち家を留学生に貸して家賃収入で生活するのを目的に、不動産を仲介せずに個人的に留学生相手の賃貸ビジネスを展開しているパターンです。家によっては、駐車場や家の倉庫、玄関、リビングルームを大改造して部屋を作り、家一軒に10人の留学生を住まわせる、なんてところもあります。日本人留学生には「有り得ない」と思うような話ですが、実際に現在のオーストラリアの生活費、物価の高さを考えると、少しでも生活費を抑えたいと考える途上国を中心とした留学生は、このようなお世辞にも条件が良いと言えない家を選んで住んでいるようです。
さて、こうした個人的に賃貸ビジネスを展開している大家の多くが、先述したRTAのルールをほとんど把握していない、もしくは把握していたとしても留学生が知らないのをいいことに自分に有利になる契約書を用意している場合があるので注意が必要です。もともと契約書自体もなく、敷金自体も少額であれば、それほど心配することもないと思うのですが、契約書が存在するのであればまずは内容のチェック(※特に契約期間前の退去条件)、そしてBondを4週間分フルにとられるのであれば、念のためRTAに預けてほしいと言うのが安全だと思います(大抵嫌がられます)。
さて今回のインド人の大家は契約書は用意していたものの、BondをRTAに預ける素振りがない。メールで尋ねてみたところ、返事はなし。2回送ってみたところで、電話がかかってきて「税金の問題があるので預けたくない」とのこと。さらには「退去時には部屋のクリーニング代として60~100ドル」を請求するとのこと。ちなみにRTAによれば、このクリーニング代と言うのは、不動産を仲介して部屋を借りる場合は別として、通常個人が部屋を貸す場合には法的には請求できない費用。契約書には退去時のルールに自分の部屋やキッチンなどの共用スペースを清掃すること、とは書いてあったがこういう風に話を持ち出してくるとは。。さらには3か月ごとにハウスメイト3人で分割する予定の電気代、これも個人で部屋を貸す場合には法的には請求できない費用。しかも大家の娘の部屋だけにエアコンがあるという事実を中国人のハウスメイトが発見。。。これは何だかフェアではない。
このように、ほじくればほじくるほど臭いものが出てくる状況にうんざりしてきた私。せめて自分の敷金の安全確保のためにRTAに預けてもらうよう再度メールを書きました。「ボンドをRTAに預けないのは”違法”です。申し訳ないですが、税金の問題はご自分で解決してください」と。このように(姉曰く)学生ボケの頭で事をダイレクトに書いた結果、さらに大家の怒りを買うことになったのです。
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